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ラケットと手のひらが触れる場所は、グリップだけです。そのグリップに巻く「グリップテープ(オーバーグリップ)」は、数百円で買えて、自分で巻き替えられる消耗品。なのに、種類が多くて「結局どれを買えばいいの?」となりがちなアイテムでもあります。
この記事では、グリップテープの種類と考え方を整理したうえで、主要メーカーの代表モデル7本を、公式サイトが謳う特徴と、実際に使った人のレビューの声の両方から紹介します。最後には、プロの世界の「意外と知られていない裏話」もまとめました。
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まず基礎知識:元グリとオーバーグリップ
ラケットのグリップ部分には、最初から「元グリ(リプレイスメントグリップ)」が巻かれています。その上から巻く薄いテープが「オーバーグリップ」で、「元グリの上(オーバー)に巻く」ことが名前の由来です。
役割分担はシンプルで、元グリは土台とクッション、オーバーグリップは手に触れる表面の感触と汗対策。オーバーグリップは安くて交換も簡単なので、「どんどん巻き替えながら使う」のが前提のアイテムです。なお元グリ自体も汗で少しずつ劣化するので、年に1回程度はショップで交換してもらうのがおすすめです。
グリップテープの種類
ウェットタイプとドライタイプ
- ウェットタイプ:しっとりと手に吸い付く感触。現在の主流で、種類も圧倒的に多い。汗をかくと滑りやすくなるものもあります。
- ドライタイプ:さらさらした感触で、汗を吸収して使うタイプ。手汗が多い人や、夏場のプレーで支持されます。
- 中間タイプ:ウェットほどの吸い付きはなく、ドライほどさらさらでもない、その中間の感触のもの。海外レビューではウイルソンのプロオーバーグリップがこの位置づけで語られることが多いです。
素材はポリウレタンが主流です(バドミントンでよく見るタオルグリップは、テニスでは少数派)。
厚さの目安
- 0.4mm前後(極薄):巻いてもグリップの太さがほとんど変わらず、ハンドルの角の感触が残ります。感触を変えたくない人向け。
- 0.5〜0.6mm(標準):最も種類が多いゾーン。迷ったらここ。
- 0.65〜0.8mm(厚手):クッション性重視。しっかり握り込みたい人向け。
ヨネックスのウェットスーパーシリーズのように、同じシリーズで0.4/0.6/0.8mmと厚みを選べるものもあります。
長さ
標準は105〜110cm前後、「長尺対応」は120cm。ハンドルが長いラケットや、上の方までしっかり巻きたい人は長尺対応を選ぶと安心です。
交換の目安
次のサインが出たら替えどきです。
- 吸い付きがなくなり、滑るようになった
- 変色・黒ずみが目立つ
- 端がめくれる、表面が剥がれてきた
頻度の目安には諸説ありますが、週1回2時間程度のプレーなら3週間〜3ヶ月がひとつの目安。プロは試合のたびに新品に巻き替えます(裏話参照)。
メーカー別・代表グリップ7選
1. ヨネックス ウェットスーパーグリップ(AC102)
- タイプ:ウェット/厚さ0.6mm/幅25mm×長さ1200mm/ポリウレタン
- 公式の特徴:「ウェット感に優れるロングセラーモデル」。1987年発売の超ロングセラーで、迷ったらまずこれ、という定番中の定番です。
- レビューの声:吸着が強すぎず程よいしっとり感で、ベタつかないから握り替えがしやすい。柔らかく伸びるので巻きやすいのも好評です。
- こんな人に:初めての1本に。基準として持っておきたいグリップです。
2. ヨネックス モイストスーパーグリップ(AC148)
- タイプ:ウェット/厚さ0.65mm/幅25mm×長さ1200mm(長尺対応)/ポリウレタン(シルクパウダー配合)
- 公式の特徴:「素早く汗を吸収!しっとりとした新感覚の握り心地」。AC102より「しっとり」に振った兄弟モデルです。
- レビューの声:AC102より柔らかく吸い付く感触が強めで、その感触が長持ちする。手汗をかきやすい人からの評判が良く、専門店スタッフからは「乾燥する秋冬にもおすすめ」という声も。
- こんな人に:AC102では物足りない人、手汗が多めの人。
3. ウイルソン プロオーバーグリップ(現行:V2)
- タイプ:ウェット(中間的な感触)/厚さ0.6mm
- 公式の特徴:ウイルソンのツアープロたちが使うモデルで、海外公式サイトではフェデラーが使っていたことでも知られます。日本では2025年にV2へ進化し、独自のウェット感の向上と持続が謳われています。契約選手からは「手に密着する感覚」「しっとりしてしっかり握れる」という声が公式サイトに載っています。
- レビューの声:ドライとタッキーの中間の軽い吸い付きで、ハンドルの角の感触が残る。ただし汗への耐性はほどほどで、数試合使うと吸い付きが落ちて滑ることがある、という指摘も。
- こんな人に:プロと同じ感触を試したい人、角の感触を大事にしたい人。
4. トーナグリップ XL(TOURNA)
- タイプ:ドライ/幅29mm×長さ99cm(XL)
- 公式の特徴:「汗をかくほど粘着が増す、唯一のグリップ」がメーカーの謳い文句。自重の350%の吸水を掲げ、水色のグリップと赤いエンドテープがトレードマーク。世界中のツアープロが愛用してきました。
- レビューの声:手汗が多い人・高温多湿の環境では最強クラス、という評価が定番。一方で耐久性は低めで、愛用者は「大量買いでコストを抑える」という声も。
- こんな人に:手汗でグリップが滑る悩みがある人。夏場の切り札です。
5. キモニー ハイソフトEX(KGT100)
- タイプ:ウェット/厚さ0.5mm/幅29mm×長さ105cm/全17色
- 公式の特徴:日本のグリップ専門ブランド、キモニーの定番。「抜群のウェット感を誇りながらも汗に強く、ウェット特有のヌメりが出にくい」が謳い文句です。17色のカラー展開は全メーカー中でも随一。
- レビューの声:粘着力の強さと、それが続く持続性が評価されています。カラーの豊富さとコスパの良さを挙げる声も。
- こんな人に:色で気分を上げたい人、薄めで粘着の強いグリップが好きな人。
6. バボラ VSオリジナル
- タイプ:ドライ寄り/厚さ0.43mm(公称0.4mmクラス)
- 公式の特徴:バボラ公式が「最も薄く、最もドライなモデルのひとつ」と位置づける極薄グリップ。細かい不織布の層が汗をすばやく吸収します(吸収レベル4/5)。ナダルが10年以上愛用したことでも知られます。
- レビューの声:薄いのに2週間のテストでも耐久性は良好だったという海外レビューも。クッションはほぼないので、ダイレクトな感触を求める人向けです。
- こんな人に:グリップの太さを変えたくない人、角の感触を最大限残したい人。
7. HEAD プライムツアー
- タイプ:ウェット/厚さ0.6mm/1本5g
- 公式の特徴:「世界のトッププロを認めるツアー系オーバーグリップ」が公式の謳い文句で、しっかりしたグリップ感と吸水性を両立したベストセラー。ズベレフが推奨するモデルでもあります。日本の専門店では、日本製素材を使ったプレミアムなオーバーテープとして紹介されています。
- レビューの声:粘着感と快適さのバランスが良く、耐久性への評価が高いのが特徴。粘着が長持ちしてほつれにくい、汗ばむ手でもグリップが効く、という声があります。
- こんな人に:粘着感がしっかりしたウェットタイプが好みで、長持ちも重視したい人。
意外と知られていないグリップ裏話(おちゃ調べ)
プロのグリップがみんな白いのは、理由がある
テレビで見るプロのグリップは、ほとんど白です。これ、偶然ではありません。テニス専門誌の取材によると、白いテープは混ぜる顔料が少なくて済む分、しっとりした感触が強いという製造側の見方があるそうです(「染料が入っていないから」という単純な話ではなく、白にも顔料は使われています)。ヨネックスのウェットスーパーグリップでは、全11色のうち白の販売比率が37%で1位。2位の黒を大きく引き離しています。
ちなみに同じ取材では、ウェットスーパーグリップの累計販売は「地球6周分」(1本1.2m換算)に達したとも。1987年発売のロングセラーらしい数字です。
プロは「1回使ったら終わり」
トッププロは、試合の前にすべてのラケットのオーバーグリップを新品に巻き替えます。メーカー公式のコラムでも「彼らにとっては1回使ったら終了」と表現されるほどで、試合中のチェンジオーバーで巻き替える選手もいます。一般プレーヤーがここまでする必要はありませんが、「試合前は新品に」という習慣だけは真似する価値があります。
トーナの水色は「商標」
トーナグリップの水色は、ブランドのトレードマークとして知られる色で、赤いエンドテープとセットで遠目にも分かります。プロのラケットで水色のグリップが見えたら、ほぼトーナだと思って間違いありません。
まとめ買いには「しまい方」の注意点
30本入りなどのまとめ買いは単価が下がってお得ですが、ポリウレタンは湿気で加水分解して劣化します。キモニーがまとめ売りパッケージをチャック付きの密封袋に変えたのも、この劣化対策です。まとめ買いしたら、開封後は密閉して、湿気の少ない場所に保管しましょう。
「元グリ」も消耗品
オーバーグリップの下の元グリも、汗を吸って潰れていきます。オーバーグリップだけ巻き替え続けても、土台がへたれば握りは細くなっていくので、元グリは年に1回を目安にショップで交換を。
まとめ
グリップテープは、プレーの感触を一番安く変えられるアイテムです。
- 迷ったら、ヨネックス ウェットスーパーグリップ(AC102)から
- 手汗が多いなら、トーナグリップXL か モイストスーパーグリップ
- 太さを変えたくないなら、バボラ VSオリジナル
- 色を楽しみたいなら、キモニー ハイソフトEX
- プロの感触ならウイルソン、粘着と耐久のバランスならHEAD プライムツアー
そして何より、気に入った1本を見つけたら、プロほど極端でなくても「こまめに巻き替える」ことが一番の上達投資かもしれません。
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