テニスを始めたい、心機一転して新しいラケットに買い替えたい。
だけどどんなメーカーがあって、どういう基準で選べばいいか分からない、そんなあなたへ。
現役テニスコーチが、主に初心者~中級者向けに、主要4メーカー+@からおすすめラケットをご紹介します。
最終更新日:2021年6月30日
男子テニス界でのラケットシェア率
男子テニス世界ランキングトップ50(2021年6月28日付)における、選手がどのメーカーのラケットを使用しているかのシェア率を調べました。
ウィルソン
シェア率:38%
契約プロ:錦織圭選手、フェデラー選手、チチパス選手など
男子プロの中ではシェア率ダントツNo.1です。年々シェア率も向上しています。愛好家向けシリーズも豊富で、さほど癖がなく扱いやすいラケットが多いです。
ヘッド
シェア率:24%
契約プロ:ジョコビッチ選手、ズベレフ選手、シャラポワ選手など
昔から競技者向けラケットを多く開発しており、初心者は手を出しにくい傾向にありました。しかし近年は、初心者向けラケットも多数出し、愛好家の中でのシェア率も拡大している印象です。
バボラ
シェア率:20%
契約プロ:ナダル選手、ティエム選手、フォニーニ選手など
ラケットスポーツ専門メーカー。商品数も多く、競技者向けはもちろん初心者向けシリーズも多数。個人的に、私の周りのテニス愛好家は、バボラを使用している人がほとんどです。
ヨネックス
シェア率:10%
契約プロ:大坂なおみ選手、ワウリンカ選手、シャポバロフ選手など
今回ご紹介する4メーカーで唯一の日本国産メーカー。国産ならではの品質、技術力はトップクラスです。
メーカー別おススメラケット
具体的にラケットの紹介をする前に、選定基準(スペック)を定めておきます。
ラケット重量:300g以下
フレーム厚:22mm以上
バランスポイント:320mm前後
上記はいわゆる黄金スペックと呼ばれるものです。
老若男女問わず扱いやすいスペックとなります。
それでは紹介していきます。
ウィルソン
フェイス面積:100平方インチ
ラケット重量:平均277g
バランス:平均325㎜
フレーム厚:23/26.5/22.5
錦織圭選手モデルです。軽量でフレームも中厚、ラケット自体にパワーがあるのでラケット重量以上のボールの重み、スピンが期待できます。力のない女性、そしてもっとパワーを出したい男性にもおすすめ。
フェイス面積:100平方インチ
ラケット重量:平均280g
バランス:平均315㎜
フレーム厚:24
ウィルソンが「革命」と題して、2019年2月~発売を開始した最新モデルです。 特徴的なのが、ラケットのしなり・ボールの食いつき感・パワーが共存する点です。しっかり飛んでくれるのに、気持ちの良い打球感を得ることができる、まさに革命的なラケットだといえます。
フェイス面積:100平方インチ
ラケット重量:300g
フレーム厚:23/26/24
バランス:320mm
THE黄金スペックですね。扱いやすいです。ウィルソン独自のストリングパターンを擁する通称「Sラケ」と言われるモデルです。回転のかかりやすさに特徴があるので、「アウトのミスを少なくしたい」「高い弾道でラリーをしたい」という人に向いています。
バボラ
フェイス面積:100平方インチ
ラケット重量:285g
フレーム厚:23-26
バランス:320mm
杉田祐一選手モデルです。扱いやすいスペックで、なおかつパワーとコントロールの両立ができるラケットです。ラケット自体はそんなに重くないのに、打った時のブレのなさ、弾きの良さが特徴的で、軽量ながら競技モデルに近い仕上がり。普段300g前後のラケットを使っている方にも違和感なくフィットするかと思います。
フェイス面積:100平方インチ
ラケット重量:285g
フレーム厚:21-23
バランス:330mm
ドミニク・ティエム選手モデルです。バボラの中ではコントロール系に分類されます。コントロール系ですが、それでいてトップヘビーなのでガツンとボールを潰して打てるラケットです。ティエム選手のあの豪快なストロークに惹かれたならこれ一択ですね。
フェイス面積:100平方インチ
ラケット重量:285g
フレーム厚:23-26
バランス:320mm
ラファエル・ナダル選手モデルです。上記ピュアドライブと比べたときに、パワー・回転が強めのモデルです。ラケットの重量が軽めでバランスも中間なので操作性は抜群。
ヘッド
フェイス面積:102平方インチ
ラケット重量:280g
フレーム厚:22/25/23
バランス:320mm
2021年最新モデルです。面の大きさが102平方インチ、フレーム厚が25mmとパワーの出る設計なので、頑張って振らなくても楽にボールを飛ばせます。ストロークを主体にゲームを展開したい方におすすめです。やや中級者向け。
フェイス面積:105平方インチ
ラケット重量:275g
フレーム厚:23/26/22
バランス:340mm
2020年モデル。ガスケ選手が使用していることで有名ですね。回転をグリグリかけたい人向け。バボラのピュアアエロみたいな印象ですが、アエロと同じくらいのパワーがあり、それでいてピュアアエロよりは打球感が柔らかいなと思います。鮮やかな黄色が目を引きますね。
フェイス面積:100平方インチ
ラケット重量:295g
フレーム厚:24/26/22
バランス:325mm
振った感じは表記重量ほどの重さは感じません。しっかりしたフレームなので安定性に優れます。加えてシャフト部分の素材に使われている「マグネシウム」の効果なのか、自分が思ってるより少しだけ遠くに飛ぶ印象です。コントロールは失わず、だけど今より少しボールに伸びがほしい、という方におすすめです。斬新なデザインにも注目。
HEAD グラビティシリーズ登場!
7月に新シリーズ「グラビティ」が発売されました。
ご興味ある方はこちらをご覧ください。
ヨネックス
フェイス面積:100平方インチ
ラケット重量:270g
フレーム厚:24/26/22
バランス:330mm
Vコアシリーズは西岡良仁選手、デニス・シャポバロフ選手等使用されています。ヨネックス独自の形状(四角)によりスウィートスポットが大きく、 常に安定した反発性能を実現しています。スピンとパワーの両立ができる攻撃的ラケットです。回転をがんがんかけてストロークを打っていきたい方におすすめ。
フェイス面積:100平方インチ
ラケット重量:285g
フレーム厚:24/26/22
バランス:325mm
大坂なおみ選手使用シリーズ。上記Vコアでも書きましたが、ラケットの形状が四角で安定した弾きがあります。Vコアに比べると、Eゾーンはコントロール型ですね。パワーよりコントロール重視で、どんな場面にも対応できるオールラウンドなラケットだといえます。
ダンロップ
トッププロの使用率でみると、上記主要4メーカーには劣りますが、日本での人気を伸ばしているメーカーが “ダンロップ” です。日本のプロでいうと鈴木貴男選手、高橋悠介選手、奈良くるみ選手、土居美咲選手が使用しています。
2018年にスリクソンとダンロップが一体となり、以来”ダンロップ”としてラケットやグリップ、ストリングなど独自の理論で製品開発に力を入れています。
ダンロップラケット3機種(CX、SX、FX)の中でもパワー系に位置するFXシリーズをここではおススメさせていただきます。
フェイス面積:100平方インチ
ラケット重量:285g
フレーム厚:23~26
バランス:325mm
ラケット自体にパワーが欲しいけど、同時にコントロールも!という欲張りな方におススメです。ラケットの材料に高い伸縮性と反発性が特徴の「フレックスタッチレジン」を採用することで、弾き感と喰いつき感、そして柔らかな打球感を実現。パワーとコントロールの両立を図っています。
まとめ
各メーカーのおすすめラケットをご紹介させていただきました。
競技者向けの難しいラケットというよりは、女性、初心者でも扱いやすく、なおかつ中級者にもおすすめなスペックのものを選びました。
皆様のテニスライフが充実したものになりますように、ぜひ参考にしてください。
ラケット選びと同じくらい重要なストリング選び
本記事ではおすすめラケットのご紹介をしましたが、実はラケット選びと同じくらい重要なものがあるんです。
それが「ストリング選び」です。関連記事として「ストリングの基礎知識」と「ストリングの選び方」を載せておきますので、併せてご参照ください。
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