【2020年最新版】セルフジャッジでの主なトラブル一問一答&テニスの意外なルール

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セルフジャッジ

審判が存在せず、プレーヤー同士でジャッジを行うルールのこと。

出典:Wikipedia

テニスの草トーナメントは大半がセルフジャッジです。
個人的にセルフジャッジは、①ルールの正しい理解②フェアプレー精神(お互いをリスペクトする心)があってこそ成り立つと思っています。

そしてきちんとセルフジャッジが行われれば、その試合は勝ち負けにかかわらずとても気持ちの良いものとなります。

が、しかし、現実では「イン・アウトの判定」や「意見の食い違い等」のトラブルも日常茶飯事で、特に「ルールの理解」がお互いに十分でない場合が多く見受けられます。

今回、試合中によく起こるトラブルを一問一答でまとめました。
試合前に確認しておきましょう!

※記事中の各事例の判断は(公財)日本テニス協会が発行している「テニスルールブック 2020」に基づき行っております。

よくあるトラブル一問一答!

Q:試合中にガットが切れた

基本的には引き続きプレーはしても良いです。
しかし、ストリングの切れたラケットでのプレーは認めていないトーナメントもあります。その場合は一般的に下記の対応となります。

ラリー中に切れた場合

ラリー中に切れた場合はポイントが終わるまで続ける。
しかし切れたまま新しいポイントをプレーすることはできない。

1stサーブを打った際に切れた場合

そのサーブがフォルトの場合、2ndサーブは切れたまま打っても、ラケットを交換してから打ってもどちらでも構わない。1stサーブが入った場合はポイントが終わるまで続ける。

レシーブで切れた場合

1stサーブのフォルトのボールをレシーブして切れた場合、レシーバーはラケットを交換してもしなくてもどちらでも構わない

この場面でレシーバーが

①ラケットを交換した場合、サーバーは改めて1stサーブを打つ。
②ラケットを交換しない場合は、サーバーは2ndサーブを打つ。

Q:妨害によるレットのコール

ラリー中にボールなどが転がってきた場合

両プレーヤーがレットのコールをかけることができ、ポイントのやり直し。

対戦相手による妨害(相手が落とし物をしたなど)の場合

妨害を受けた側のプレーヤーのみレットをかけることができる。物を落とした側のプレーヤーはレットをかけることができない。2回目以降の妨害は故意として失点となる。

Q:2ndサーブでボールが転がってきた

サーブのモーションに入ってから転がってきた場合、インプレー中なので1stサーブからやり直し。
サーブのモーションに入る前に転がってきた場合、インプレー中ではないので2ndサーブのまま。

Q:落ちているボールに当たった

落ちているボールは地面の一部と考えられる。別のボールに当たった後も、そのラリー中のボールは返球しプレーを続行しなくてはならない。

Q:サーブの順番を間違えた

スタンダード・ゲーム中(タイブレークでない場合)

気づきしだい本来のサーバーに代わる。
しかし、気づいたとき、すでにゲームが終了していたら、入れ替わったままの順番で続ける。

タイブレーク・ゲーム中

偶数ポイントが終わった時点で気づいたら、正しい順番に戻す。
奇数ポイントが終わった時点で気づいたら、間違えたままの順番で続ける。

偶数例:カウント2-2の時にサーバーを間違え、ポイント終了後に気づいた場合、次のポイントから本来打つべきサーバーが打つ。

奇数例:カウント2-3(3-2)の時にサーバーを間違えて、ポイント終了後に気づいた場合、間違えた順番のままゲームを進める。

Q:ポイントが分からなくなった

話し合い。お互いに合意ができるポイントまで戻り、それに最後のポイントを合算してプレーを再開する。
※サーバーは新しいポイントの都度、レシーバーに聞こえる声でスコアを言いましょう。

Q:ダブルスでペアの判定が食い違った

食い違った判定をしたペアの失点。

ただし、「フォールト」「アウト」をコールした選手が直ちに「グッド」に訂正した場合は、1回目に限りポイントレットになる。2回目以降は食い違うたびに失点。

おまけ:テニスの意外なルール

ルールブックを読んでいる際、一般の方にはあまり知られていないであろう意外なルールを発見しましたので、いくつかご紹介したいと思います。

シングルススティックに当たった

ラリー中にシングルススティックに当たって入った場合、プレーは続行しなくてはならない。ただし、サーブがシングルススティックに当たった場合、当たった時点でフォルトとなる。

※ラリーかサーブかで判定が分かれるんですね。
しかしそもそもシングルススティックはネットに被っているので、当たることなんてあるんでしょうかね?笑

振動止めを付ける位置

振動止めを付けている方も多いかと思いますが、ルールブックにはそれをどこに着けるべきかがかが定められています。

それが「ストリングの交差模様の外側とする」です。
ここには「下側限定」とは書かれていないので、外側だったら右でも左でも上でもOKということです。

オーバーネットが許されるパターン

2パターンあります。

①自分のコートでヒットして、フォロースルーがオーバーネットした場合は失点となりません。

②相手のボールが自分のコートにバウンド後、バックスピンや風の影響で相手コートに戻っていった場合、オーバーネットはしても良いです。(その際ネットに触れてはいけません)

ダブルスでサーブ(レシーブ)の順番変更

ダブルスで3セットや5セットマッチの場合、セットが切り替わるタイミングでサーブの順番、レシーブのサイドを変えることができます。

セルフジャッジ5原則

(公財)日本テニス協会から、「セルフジャッジ5原則の順守と推進のお願いチラシ」が発行されていますので、こちらも併せてお読みください。

まとめ

セルフジャッジにおいて、ルールを熟知している選手ってそれだけで有利なんですよ。本当にこのやり方で合ってる?なんて無駄な心配をしなくて良いので、自分のプレーに集中できるんですね。

こまかなルールはまだまだありますが、とりあえず上記の一問一答を知っていれば、だいたいのトラブルは回避できるかと思いますので、本記事を繰り返し読むか、それかルールブックを購入するかして、自信をもって主張できる知識を身につけてください。

「ルールの正しい理解」と「フェアプレー精神」で、お互いに気持ちよくプレーしたいですね!

コメント

  1. 樋口たかこ より:

    自分があげたロブが大きいとジヤジしたのが入っていたが相手のプレやーが取らなかった場合はどちらの得点になるんでしょうか

    • 内田 駿大 より:

      ご質問ありがとうございます。
      結論からいうと「ロブを上げた方の得点」となります。
      原則としてプレーヤーは、相手から打たれたボールを、1バウンド以内に相手コートへ返球できなければ「失点」となります。
      今回の場合も、自分のロブが入ったのに返球しなかった相手は失点、つまり自分の得点となります。

  2. 島野 より:

    ラリー中に隣のコートのボールが転がってきた場合のレットのコールについての質問ですが、ボールが相手プレーヤーの後ろのネット際に転がってきた場合に、ボールを取りに行こうと、こちらのプレーの中断を待っている隣のコートのプレーヤーが気になるのでレットで止めたところ、対戦相手のプレーヤーから「プレーの邪魔にはならないからレットで止めるべきでない」との指摘がありました。このような隣のコートのボールが転がってきた場合のレットのコールには、どのような場合は適用するのかしないのか?の基準などありますでしょうか?

    • 内田 駿大 より:

      島野様
      コメントありがとうございます。インプレー中にプレーの妨害があった場合、両選手がレットのコールをかけられます。ここでいう妨害とは、物理的妨害(選手の足元にボールが転がってくるなど)のみならず、「視覚的妨害」も含まれます。ご質問の状況の場合、隣のボールが相手コートへ入ってきたことで、島野様に対する視覚的な妨害がなされたとして、島野様のレットのコールは有効となります。また、隣からボールが転がってきた場合のレットのコールに、適用されるされないの基準はルール上の明言はありません。なので、プレーが妨害された場合はすべて、レットのコールが適用されます。(物理的妨害+視覚的妨害に対して、両選手がレットのコールをかけられます。)

  3. 千葉 俊雄 より:

    ラリー中に相手がウオッチのコールをしましたが、コート内に入っていた為打ちかえしてきました。ウオッチのコールによる妨害と判断し、試合を止めました。どちらのポイントになりますかご指導願います。

    • 内田 駿大 より:

      ヒンダランス(妨害)のケースですね。
      整理しますと、自分の打ったボールが相手のコートに到達する際、相手がアウトと思い「ウォッチ」とコールした。
      しかし、その打球は入っていたため、相手は返球してきた。ということでよろしいでしょうか?

      結論を書きますとプレーを止めた方(ご質問者様)の失点となります。

      ヒンダランスに該当する条件としましては、
      ①相手が打つとき
      ②声量が大きいと判断されたとき(この点ルールに明確な基準がないため、高確率で揉めます。最終判断はロービングを呼んで状況を説明して任せたほうがよろしいと思います。)

      この例では、①の相手が打つときではなく、
      自らが打つときに声を発しているので問題ないかと。

      しかし、この発言が「ウォッチ」ではなく「アウト」であれば、ご質問者様側の得点となります。
      「アウト」は判定に該当するので、やっぱり入ってたと、判定したものを覆す行為は妨害に当たるため、その場でプレーを止め抗議することで得点となります。

      • 千葉 俊雄 より:

        教えて頂き有難う御座いました。今後のプレーに参考にさせて頂きます。  

        • 内田 駿大 より:

          お役に立てれば幸いでございます😊

          • 日高悟 より:

            テニスのダブルス試合中のカウントコール(例:15―30)で、サーバーがコールするのではなく、味方のペア(サーバーではない方)がコールするのはルール違反でしょうか?
            サーバーがコールしなければならないとルールにあるのでしょうか?
            ◆基本的に、相手(敵)にカウントが伝われば(試合ができれば)良い様に思うのですが?

            【具体的な例】
            ・サーバーの声が小さく聞こえ辛い、あるいはサーバーが声を出せない等のため、味方のペアがコールする。

            お手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。

          • 内田 駿大 より:

            コメントありがとうございます。ルールブックには「サーバーはサーブを打つ前に、レシーバーに聞こえる声でスコアをアナウンスする。」と記載されていますので、原則としては「サーバーがアナウンス」をするものと理解できます。ですが個人的には、(公式戦ではない)セルフジャッジの試合であれば事前に「サーバーが声を出せない」等の諸事情があることを相手ないし本部に説明し、同意を得られれば問題ないとも思います。(試合が始まって説明もなくペアがアナウンスをするのはちょっとちょっととなりそうですが)

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