終わりなき旅
テニスを始めたばかりの方はもちろん、上級者やトッププロに至るまで、サーブはたくさんの細かい点を見直していきます。1か所に数年かけるプロもいます。そして改善しても改善しても完璧にはなりません。まさに終わりなき旅です。
ですが、初心、初級者が同じように多岐にわたる項目をチェックしていたら、ほとんどの方が辟易してしまうでしょう。
そこで今回は、初心・初級者向けにこれだけはチェックしてほしい、サーブの基本チェック項目を5つご紹介しようと思います。何を意識したらいいか分からない!サーブを脱初級したい!という方はぜひチェックしてみてください。
②目的:サーブのフォームで何を気を付けたらいいかが分かる。
※今回のテーマでは実際に球が入るかどうか、スピンやフラットなど球種の打ち分け等は考慮しません。
※右利きの方を想定して解説します。左利きの方は逆でお考え下さい。
チェックポイント①トスアップ時の姿勢
トスを上げたあと、身体が前に倒れないように注意です。前傾になることで、打点も低くなり、スイングも下に落ちやすくなります。その結果、ネットフォルトが増えます。
さらに、身体が倒れると地面をしっかり踏みにくくなるので、力を溜めづらくなる分パワーロスにも繋がります。
トスを上げたあとは、気持ち左腰を突き出し、弓のように弧を描くと身体が倒れにくくなります。ピタッと止まれる姿勢を目指しましょう。
チェックポイント②トスアップ時の右肘
トスを上げたあと、右肘を高い位置にキープしましょう。これは打点を高くすることと、スムーズな投球動作のためです。右肘が低い位置にあると必然打点も上がりませんし、さらに右肘が出てこないことで右肩への負担も増します。ケガ(テニス肩)を防止する観点でも大事なチェックポイントになります。
チェックポイント③トスアップ時のラケット
トスを上げたあと、ラケットが倒れない(寝ない)ようにしましょう。それでも打てなくはないのですが、回転をかけづらくなります。
回転をかけるには、ラケットのフレーム側からボールに当てにいく必要があります。
しかしラケットが倒れてしまうと、手のひらが上を向いている=ラケット面が上を向いている状態なので、フレームではなく、ラケット面からボールに当たりやすくなります。
結果、回転のかかりにくいフォームとなります。
顔の反対側の出来事なので、意識していても自分では見えないため、案外倒れてしまっていることが多いものです。トスを上げて、ラケットを担いだら一度そこで止めてみましょう。そして後ろを振り返るのです。自分のラケットがどういう状態か(立っているか倒れているか)の確認をしてみましょう。
チェックポイント④打球後の姿勢
打ったあと、身体が倒れないようにしましょう。理想は、打ったあとにピタッと1秒キープできる姿勢です。姿勢を崩すことで問題になるのが
①コントロールの悪化
②パワーのロス
③リカバーが遅れる
④ケガにつながる
という4点です。
特に③については、自分のサーブは絶対に返せっこない!という自信があれば気にするものでもないのですが、どれだけ良いサーブを持ってても、その試合中全部エースって、ほぼないですよね?笑
そう、サーブは返ってきます。この事実はアマチュアでも、トッププロでも変わりません。なので相手のリターンには必ず備える必要があるのです。
ところが、サーブでバランスを崩し、相手リターンへの反応、行動が遅れると、サーブというアドバンテージを活かせなくなってしまいます。サーブを打って、相手がリターンしたあとの3球目をしっかり打ち切る。そうすることで主導権を握り続けることが可能になります。
サーブの練習時も、打って終わりではなく、打ったあとのリカバーも想定した練習をすることが望ましいでしょう。
下の動画は、リカバーを意識したサーブ練習になります。ご参考までに。
チェックポイント⑤スウィング全体に無理がないか
全体的に窮屈感がなく、最後まで振り切れているか確認しましょう。身体の一部分、特に上半身のどこかに力が入っていると、身体を大きく使えず、打点は低くなり、振り抜きも悪くなります。力の入ったスウィングは、ボールの勢いにも悪影響を及ぼす他、筋肉、関節へのダメージも大なり小なりあるので、テニス肩やテニス肘の原因にもなり得ます。
意識として、打点は遠いところで、スウィングは止めないことが重要です。
サーブはテニスで唯一、自分のタイミングで始めることができるので、打つ前の構えの時点でリラックスした状態を作ることを意識してください。そうして落ち着けたら、身体を大きく使うことを意識して動作を開始しましょう。
サーブチェックポイントまとめ
①トスを上げたあと、身体をまっすぐキープ
②ラケットを担いだあと、右肘を肩の高さ以上でキープ
③ラケットを担いだあと、ダラッとラケットが倒れない(寝ない)
④打ったあと、身体のバランスを崩さない
⑤全体的に、ゆったり大きくスウィングする。打点は高めに、遠くにする。
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