勝率が高いのはどっち?
・高速ボールでエースを量産!だけど同じくらいミスもするハードヒッターのA君
・派手さはないけど、ひたすら拾って相手コートに返し続けるシコラーのB君
※シコラーとは:粘り強く返球する選手の総称(使用例「あの選手はとんでもなくシコいね!」「次はシコラーのB君が相手だ」)
この二人が同じ環境下で対戦し続けた場合、いったいどちらの方が勝率が高いでしょうか?
答えは本記事を読んで確認してみてくださいね。
スタッツで確認!
2019年のグランドスラム決勝戦、他主要大会のスタッツを確認していきましょう。
スタッツ
statisticsの略で「統計」という意味です。試合中の選手の各種データがスタッツに現れます。
例えば、「ファーストサーブの確率」「ダブルフォルトの数」「ネットプレーのポイント率」「ブレークポイント取得率」「イージーミス(凡ミス)の数」などです。
アンフォーストエラー
スタッツの各項目は英語で書かれることが多く、その中に「unforced error」という項目があります。
これがいわゆるイージーミスです。「unforced」=「自発的な」という意味で、簡単なボールを自らミス(ネットもしくはアウト)してしまったということになります。
逆に相手のエース級のショットを触りはしたものの返球ができなかった場合は「forced error」となります。
相手のショットに触れることができなかった場合は「winner」、いわゆるエースとなります。
本記事でのイージーミスとunforced errorは同じ意味だと捉えてください。
本当ならばスタッツの各項目について詳しく分析した上で勝敗の要因を探っていくのが筋なのですが、そうすると結構なボリュームになってしまいますので、今回は「winner」と「unforced error」の関係性から勝率を上げる秘訣を探っていきたいと思います。
2019年全豪オープン決勝:ジョコビッチ対ナダル
試合時間:2時間4分
ジョコビッチ選手が勝利しています。
Winners
ジョコビッチ:34本
ナダル:21本
Unforced Errors
ジョコビッチ:9本
ナダル:28本
エースの数でもイージーミスの数でもジョコビッチが上回っていますね。
その結果が、3-0(6-3,6-2,6-3)というスコアにも表れています。
2019年全仏オープン決勝:ティエム対ナダル
試合時間:3時間1分
ナダル選手が勝利しています。
Winners
ティエム:31本
ナダル:38本
Unforced Errors
ティエム:38本
ナダル:31本
エースの数でもイージーミスの数でもナダルが上回っていますね。
その結果、3-1(6-3,5-7,6-1,6-1)というスコアになりました。
2019年全英オープン決勝:ジョコビッチ対フェデラー
試合時間:4時間57分
ジョコビッチ選手が勝利しています。
Winners
ジョコビッチ:54本
フェデラー:94本
Unforced Errors
ジョコビッチ:52本
フェデラー:61本
エースの数はフェデラーが上回っていますが、イージーミスの数ではジョコビッチ選手が上回りました。
まあそれだけがジョコビッチ選手の勝利の要因では決してないのですが。
2019年BNPパリバ・オープン決勝:ティエム対フェデラー
試合時間:2時間2分
ティエム選手が勝利しています。
Winners
ティエム:24本
フェデラー:23本
Unforced Errors
ジョコビッチ:25本
フェデラー:32本
エースの数は両者ほぼ同じですが、フェデラーの方がイージーミスを多く犯していますね。
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勝率を上げる近道
上記主要大会のスタッツから分かることがありますね。
ずばり、勝率を上げる近道とは、「イージーミス(凡ミス)」を減らすことです!
プロの試合を観ていると、ハードヒットで豪快にエースを取るシーンが目立ちますよね。プロみたいにあんな風にかっこよく決めたい!そう思うのも当然ですし、試合中にかっこよくエースを取ると気持ちがいいですもんね。
ただ、派手なエースにこだわってしまうと勝ち星からは遠のいてしまいます。
大事なのは、エースの数より「イージーミスの数」です。
ミスを減らすことの重要性
上記スタッツはあくまで一例で、プロの試合すべてにイージーミスが少ない方が勝つという方程式が当てはまるわけではありません。しかし世界トップクラスの大会の、それも決勝戦で、いずれもイージーミスの多い方が敗退しているのです。
イージーミスとはすなわち「相手にポイントを差し上げる」行為といえます。試合ではポイントを取っていかないといけないのに、相手にあげていたら勝てるものも勝てませんよね。
大事なのは簡単にポイントをあげないこと。ミスをするくらいだったら相手にエースを決められる方がマシだと言っても過言ではありません。
ご自分の試合中のミスの数を確認し、それを減らす努力をしてみてください。
きっと勝利が舞い込んでくるでしょう!
じゃあどうやってイージーミスを減らすの?という方は下記記事をご覧ください。
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