コーチにとってレッスンテーマを考えるということは、やはり簡単なものではないですね。
その生徒さんたちは、何を練習すれば上達するか、試合に勝てるか。
生徒さんたちの今後のテニスライフを左右するのがテーマ設定ですから、適当に面白そうだからという理由で決めて良いものでもありません。
今回は私が意識しているテーマ設定の考え方をご紹介します。
これが正解というわけではないので、一つこういう考え方があるよと参考になれば幸いです。
対象
週に1~2回レッスンに通われる一般のテニス愛好家
そもそも、練習はなんのためか― Game Based On Approachを意識する ―
テニスクールに週1~2回レッスンに来られる生徒さんを対象にテーマを決めていきますが、やっぱりGame Based On Approachは意識しなきゃなと思っています。
何それ?って方は↓の記事をご覧ください。
Game Based On Approach ― テニスコーチのための指導理論
さて、これを意識しないとどうなるか。
上達や勝利から離れた、ただ打つだけの時間になってしまいます。
練習は、今の課題を克服するために行うのであり、意識は常に試合・ゲームに向けられていなければなりません。
レッスンのテーマ設定も、基本的には試合中の一場面を切り取ったものであることが重要です。
テーマ決めの軸
Game Based On Approachを意識した上で、私がテーマを決めるときに軸としていることがあります。それが、
ミスを減らして、得点パターンを増やすこと
どういうことか、下記で詳しく説明していきます。
テーマの決め方①:ミスを減らす(どんなミスが多いか)
個人的にテニスの試合においては、「自滅をしない」ことが一番大切だと思っています。
自滅をすると、自分よりレベルの低いプレーヤーにも当然負けますし、上のレベルのプレーヤーになんて勝てるわけがありません。
しかし自滅さえしなければ、自分よりレベルの高い相手以外にはほぼ負けません。
・簡単なボールをミスしてたり
・相手にチャンスボールをポンポンあげちゃったり
・ポジション間違えてスペースががら空きだったりetc…
しなければ、相手のレベルが自分より上でない限り負けないのです。
なので、まずは「ミスを減らす」ことが勝利への一番の近道だと私は考えます。
コーチは、試合のどの場面でどんなミスが多いかを把握しておきます。
例えば、
・相手の滑るスライスに対してネットミスが多い。
・ポーチボレーをよくアウトしてしまう
・チャンスボールが入らないetc…
どんなミスが多くて、何が原因で、どうすればよいか。
これをテーマとして生徒さんに伝えるのです。
生徒さんは身に覚えのあることなので、真剣に聞いてくれますし、真摯に練習に取り組んでくれます。
メニューの決め方②:得点パターンを増やす
ミスを減らすことはすごく大事です。
テニスはミスの少ない方が勝利する傾向にありますから。
ただ、ミスを減らしてください、ミスをしないでください、なんて練習ばかりしていると、人は消極的になります。
自分から攻めていこうという気持ちが薄れていきます。
そこで大事なのが、得点パターンを増やすこと、自ら展開し主導権を握る力を養うことです。
それはシンプルなもので全然構わないと思います。
・ワイドサーブで相手を外に追い出して、オープンスペースに決める
・ドロップショットを打って前に走らせて、ロブで抜く
・ペアのサーブで崩してポーチに出る
とか、あとはプロ選手の得意パターンを研究したり、コーチ自身の得意パターンを紹介したり、生徒さんの特徴に合ったパターンを開発して、それらをレッスンに落とし込んでいきましょう。
生徒さんに必要なことをやろう
スクールに通う一般の生徒さんは、仕事や家族サービスでテニスをする時間が限られている方が多いです。
あんまりテニスはできないけれど、それでもテニスが上手くなりたい!
そんな想いに応えるために、我々コーチができること、それが
必要な練習を、必要な時に、必要な分やること!
生徒さんに無駄なことをさせてはいけません、生徒さんにはそんな暇もありません。
「自分のやりたいメニュー」ではなく、「その生徒さんに必要なテーマ設定」を意識して、テニス上達のサポートをしてあげたいですね。
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